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ソロプレナーの成功事例10選|日本・海外の一人起業から学ぶ事業モデル

日本・海外のソロプレナー10人の事例から、何を売ったかだけでなく、誰の困りごとを解決し、どう顧客とつながり、改善を続けたかを整理します。

公開日 秦 卓民ソロプレナー・一人社長

ソロプレナー成功事例10選

「実際にソロプレナーとして成功している人は、何をしているのか」

日本でも、正社員を雇わずにWebメディアを育て、数億円規模のM&Aを実現した人がいます。一人で開発したサービスを100万人規模まで成長させた事例もあります。

海外では、SaaS、オンライン教材、デザインサービスなどを、一人または極めて小さな体制で年間100万ドル以上の売上規模まで成長させた事例があります。

僕が事例を見るうえで大切だと思うのは、何を売ったかだけでなく、誰の困りごとを解決し、どう顧客とつながり、改善を続けたかです。

この記事では、個人でのプロダクト運営事例と、副業から独立した方の経験を紹介します。

そのうえで、僕自身の独立当初の営業や、コーチングの現場での経験から、一人で事業を育てるための考え方をお伝えします。

ソロプレナーの成功事例10選を一覧で比較

ソロプレナーは、一人を中心に事業を立ち上げ、運営する起業家を指す言葉です。ただし、使われ方には幅があります。

最初に、今回紹介する事例を一覧で確認してみましょう。

人物・事業国事業モデル公開されている主な実績
大野克也氏/ファクログ日本Webメディア創業約1年3カ月でrimad株式を2億1,300万円で譲渡
勝木健太氏/And Technologies日本Webメディア正社員ゼロで運営し、全株式を3億5,000万円で取得される
喜田一成氏/Skeb日本プラットフォーム約100万人規模まで成長、全株式を10億円で譲渡
けい氏/IsTalk日本スマホアプリ60万DL超、月売上約250万円を本人公表
SiRO氏日本Webサービス14年間の個人開発で月収100万円超を達成
Pieter Levels氏海外SaaS・WebサービスNomad List+Remote OKで月8.3万ドル超
Justin Welsh氏海外教材・コンテンツ2023年売上231.7万ドルを本人公表
Brett Williams氏/Designjoy海外定額デザインサービス2022年11月時点で同年累計売上100万ドル
Marc Lou氏海外SaaS・デジタル商品2023年11月に月6.54万ドル、従業員0と本人公表
Daniel Vassallo氏海外教材・コミュニティ複数の小規模事業を収益化し、Small Betsを2025年に売却

ここで重要なのは、10人が同じ方法で成功しているわけではないことです。

Webメディアを作った人もいれば、アプリ、SaaS、教材、受託サービス、コミュニティを商品にした人もいます。

つまり、ソロプレナーになるための「正解の商品」があるわけではありません。

むしろ、自分がすでに持っている経験や顧客接点を、どのように一人でも販売できる事業へ変えるかがポイントになります。

日本のソロプレナー成功事例5選

1.大野克也氏|正社員を抱えず、創業約1年3カ月で2億円超のM&A

国内のソロプレナー事例として参考になるのが、大野克也氏です。

大野氏は2024年6月にrimad株式会社を設立し、ファクタリング会社の口コミ・比較プラットフォーム「ファクログ」を運営しました。

本人へのインタビューでは、創業から1年が経つ頃に月商1,000万円を突破したと説明されています。2025年9月には東証グロース上場企業のアイズがrimadの全株式を取得しました。

アイズの適時開示によると、rimadの普通株式の取得価額は2億1,300万円。アドバイザリー費用等を含めた取得費用の概算総額は2億2,400万円です。rimadは2024年6月5日設立で、大野氏が株式を100%保有していました。

大野氏の事例で特に参考になるのが、市場選びです。

本人は、ファクタリング市場について事業者数が限られており、組織を持たないソロプレナーでも市場を攻略しやすかったことを成功要因の一つとして挙げています。創業約1年3カ月でM&Aに至った背景にも、一人でアクセス可能な市場を選んだことがありました。

「市場規模が大きいか」だけではなく、

一人で主要な顧客・広告主へ接触できる市場なのか

を見るわけです。

たとえば、10万社へ営業しなければ成立しない事業より、顧客候補が100社程度で、その1社当たりの価値が高い事業の方がソロプレナーには適している場合があります。

この事例から学べること

ソロプレナーでは、「何をやるか」と同じくらい「一人でも攻略できる市場なのか」を見ることが重要です。

市場規模だけではなく、顧客数、顧客単価、競合数、営業方法、SEOや広告との相性まで含めて検討すると、一人で事業を伸ばせる可能性を判断しやすくなります。

2.勝木健太氏|正社員ゼロで事業を育て、全株式が3億5,000万円で取得される

勝木健太氏も、国内で参考になるソロプレナー事例です。

勝木氏は銀行、コンサルティング会社などを経た後、2019年にAnd Technologiesを設立。「FIND CAREERS」というキャリア情報サイトを中心とした事業を運営しました。

本人は後年のインタビューで、

正社員はずっとゼロで、誰も雇わずに経営していた

と説明しています。

人を増やすことで事業上の変数が増えることを避け、できるだけシンプルな事業をシンプルな組織で運営したかったためです。執筆やデザインなども自身で経験したことで、事業の上流から下流まで理解できたと振り返っています。

2021年12月23日、みらいワークスはAnd Technologiesの全株式取得を決議。

正式な企業結合日は2022年1月4日です。

企業開示によると、普通株式の取得価額は3億5,000万円。アドバイザリー費用等を含めた概算総額は3億7,000万円でした。取得前は勝木氏が100%の株式を保有していました。

この事例から見えてくるのは、一人でやること自体を目的にしていたわけではないことです。

事業を理解するために自分で実務を経験し、必要以上に組織を複雑化させなかった。

その結果、小さな組織のまま事業価値を作っています。

この事例から学べること

仕事が増えたらすぐ採用するのではなく、

  • 「そもそもその業務は必要なのか」
  • 「テンプレートにできないか」
  • 「ツールで代替できないか」
  • 「外部へ一部分だけ依頼できないか」

と考えることが、ソロプレナー型の経営につながります。

3.喜田一成氏|一人でSkebを100万人規模まで育て、全株式を10億円で譲渡

国内の個人開発型ソロプレナーで、特に規模が大きい事例が「Skeb」です。

Skebは、ファンがクリエイターへ有償でイラストや音声などをリクエストできるコミッションサービスです。

喜田一成氏が2018年に個人で開発しました。

2021年2月時点で実業之日本社が公表した数字では、

総登録者数100万人超、クリエイター登録者約5万人、月間取引高約2億円まで成長していました。

注意したいのは、2億円はSkebの月商ではなく「月間取引高」だという点です。

さらに当時、企画・開発・運営などを喜田氏一人が担当していたことも報じられています。利用者増加によって一人でサービスを維持することが難しくなり、2021年に株式会社スケブの全株式を10億円で譲渡しています。

Skebは「一人でどこまで大きなサービスを作れるのか」という成功例である一方、一人経営の限界も分かる事例です。

ユーザーが増えれば、

  • 決済管理
  • 不正利用への対応
  • 問い合わせ
  • 障害対応
  • セキュリティ
  • 新機能開発

といった責任も増えます。

一人であることそのものが事業リスクになる段階まで成長したため、売却という選択をしています。

この事例から学べること

ソロプレナーだからといって、一生一人で経営する必要はありません。

一人で始め、一人で検証し、一人で伸ばせるところまで伸ばす。

そのうえで必要になれば、採用、提携、資本参加、売却などを選択できます。

「一人で始める」と「一生一人でいる」は別の話です。

4.けい氏|IsTalkを個人開発し、月売上約250万円へ

数億円のM&Aだけがソロプレナーの成功ではありません。

一つのアプリを育て、毎月継続して収益を得るモデルもあります。

エンジニアのけい氏が開発した「IsTalk」は、LINEなどのトーク履歴を分析するスマートフォンアプリです。

2024年に本人が公開した数字では、

iOS・Android合計60万ダウンロード超、サブスクリプション利用者4,600人超、広告収益を合わせた月売上約250万円に到達しています。

この事例で注目したいのは、「アプリを作れたから成功した」という単純な話ではない点です。

価格変更、アプリ画面の改善、ストア上の訴求改善、SNSからの集客などを繰り返しています。

つまり、

開発 → 公開 → ユーザーを見る → 改善する

というサイクルを回しています。

ソロプレナーの場合、意思決定者と実行者が同じだからこそ、ユーザーの反応を見てすぐに価格や商品を変えられます。

この事例から学べること

商品は完成してから販売するものとは限りません。

最低限の状態で市場に出し、実際の利用者を見ながら商品を改善していく方が、一人事業ではリスクを小さくできます。

これはSaaSだけではなく、講座、テンプレート、コンサルティングなどにも共通します。

5.SiRO氏|14年間の個人開発で月収100万円超へ

成功事例を探していると、「半年で月商100万円」「1年でM&A」といった短期間の事例が目立ちます。

しかし、ソロプレナーの別の可能性を示しているのがSiRO氏です。

SiRO氏はSIerで約10年間働いた後、専業の個人開発者として複数のWebサービスを運営。

本人によると、個人開発を始めてから14年で月収100万円を突破しました。

公開されている数字では、

月収10万円達成時が29万PV、50万円達成時が282万PV、100万円達成時が422万PVでした。収入源は主に広告収入です。

この事例が示しているのは、「ソロプレナー=急成長するスタートアップ」ではないことです。

Webサービス、コンテンツ、アプリなどを少しずつ積み上げながら、自分が働いていない時間にも利用される資産を増やす方法があります。

この事例から学べること

短期間の成功事例だけを基準にしないことです。

最初の商品が成功しなくても、開発、SEO、マーケティング、販売といった経験は次の商品へ引き継がれます。

一人で長く事業を続けるほど、知識や顧客接点そのものが資産になる場合があります。

海外のソロプレナー成功事例5選

6.Pieter Levels氏|複数の小さなサービスから年商100万ドルペースへ

海外のソロプレナーを代表する一人がPieter Levels氏です。

代表的なサービスには、デジタルノマド向けの都市情報サービス「Nomad List」と、リモートワーク求人サイト「Remote OK」があります。

Levels氏は、短期間で小さなプロダクトを作り、市場へ出すスタイルで知られています。

2019年5月、本人はNomad ListとRemote OKを合わせて、

  • 月売上8万3,333ドル超
  • 顧客11,996人
  • 月740件の決済
  • 広告予算0ドル
  • 外部資金0ドル

に到達したことを公開しました。

8万3,333ドルを12カ月換算すると約100万ドルとなるため、年商100万ドルペースに達したタイミングです。

Levels氏の事例で重要なのは、すべてのサービスが成功したわけではないことです。

本人は長年、多数のプロジェクトを公開し、成功したものだけでなく終了・失敗したプロジェクトも記録しています。

つまり、

「絶対に成功するアイデアを探す」

のではなく、

小さく作り、公開し、反応があるものへ時間を使う

という考え方です。

この事例から学べること

事業アイデアを何カ月も考えるより、失敗しても大きな損失にならないサイズで市場へ出す方法があります。

一つの商品にすべてを賭けるのではなく、検証回数を増やして「当たり」を探す考え方です。

7.Justin Welsh氏|会社員時代の知識を商品化し、年間231.7万ドル

エンジニアではないソロプレナーとして参考になるのがJustin Welsh氏です。

Welsh氏はSaaS企業で営業責任者などを経験した後に独立。

LinkedInを中心に、営業、コンテンツ制作、個人ブランド、ソロビジネスなどについて発信し、その知識をオンライン教材として販売しています。

本人の2023年の振り返りでは、

年間売上231.7万ドル、約90%のマージン、教材購入者14,488人増、ニュースレター読者7万人から19万5,000人へ成長したと公開しています。

ここで「約90%」という数字は、本人が「margin」として公開したものであり、日本の会計上の営業利益率や純利益率と同義とは限りません。

また、完全に誰の助けも借りていないわけではありません。

本人自身、2023年の振り返りで外部の専門家や事業者へ一部業務を依頼したことにも触れています。

ソロプレナーは、すべての作業を一人で行うことではありません。

意思決定と事業の中心を自分が持ちながら、必要な部分だけ外部を活用する

という形も含まれます。

Welsh氏の事業モデルはシンプルです。

無料コンテンツで読者を集め、その中で繰り返し発生する悩みを体系化し、オンライン教材として販売する。

自分の経験そのものを商品へ変えています。

この事例から学べること

「自分には売れる商品がない」と感じている人は、仕事の中で何度も説明していることを振り返ってみるとよいでしょう。

営業、採用、広告運用、デザイン、Excel、経理などでも、

誰かが繰り返し困っていることを整理すれば、商品候補になります。

8.Brett Williams氏|デザイン受託を定額商品にして100万ドル規模へ

ソロプレナーになるために、受託事業をやめてSaaSを作る必要はありません。

Brett Williams氏が運営する「Designjoy」は、デザイン業務を月額制で提供するサービスです。

Designjoy公式サイトでは現在も「one-man agency」と説明されており、他のデザイナーを雇わず、デザイン業務を他社へ外注しないことを明示しています。依頼はいくつでも追加できますが、一つずつ順番に制作する仕組みです。

Brett氏は2022年11月15日、自身の一人デザイン会社がその年の累計売上100万ドルに到達したと公開しています。

Designjoyが特徴的なのは、デザインという受託サービスそのものを変えたのではなく、売り方を商品化したことです。

通常の受託デザインでは、顧客ごとに見積もりを作り、会議を行い、契約し、制作範囲を調整します。

Designjoyでは、料金と提供ルールをあらかじめ決めることで、案件ごとの営業・見積もり・進行管理を減らしています。

この事例から学べること

現在受託事業をしている人は、

  • 提供範囲
  • 料金
  • 納期
  • 修正回数
  • 会議回数
  • 依頼方法

を標準化できないか考えてみましょう。

受託をやめなくても、受託を「商品」に近づけることで、ソロプレナー型の事業へ変えられる可能性があります。

9.Marc Lou氏|小さなプロダクトを何度も作り、ShipFastをヒットさせる

Marc Lou氏も、「一つの大きな会社を作る」より、多数の小さなサービスを作るタイプのソロプレナーです。

代表商品である「ShipFast」は、Next.jsを使ったWebサービスを素早く立ち上げるための開発テンプレートです。

本人によると、2023年9月1日にShipFastを公開し、初月だけで4万ドルの売上を記録。

同年11月には複数事業を合わせた月売上が6万5,400ドルとなり、本人公表のマージンは91%、従業員数は0人でした。

2026年9月には、これまで36のスタートアップを作り、累計約300万ドルを売り上げたと振り返っています。

もちろん、36個すべてが成功したわけではありません。

売却した商品もあれば、終了した商品もあります。

重要なのは、商品を開発する過程自体をSNSで発信し続けている点です。

商品を作る → 経過を発信する → 読者が増える → 新商品を公開する → 読者が最初の顧客になる

という循環を作っています。

いわゆる「Build in Public」と呼ばれる方法です。

この事例から学べること

SNS発信を、商品とは別のマーケティング活動として考える必要はありません。

制作途中の学びや数字を発信することで、商品開発そのものを集客コンテンツに変えることもできます。

10.Daniel Vassallo氏|「一つの大成功」ではなく、小さな収入源を複数作る

Daniel Vassallo氏は、Amazonでエンジニアとして勤務した後に独立しました。

特徴的なのが、「Small Bets=小さな賭け」という考え方です。

一つの事業へ何年もの時間と資金を投じるのではなく、小さな商品を複数試し、反応があるものへ投資していきます。

公開されている実績では、

2019年はプログラミング書籍から約14万ドル、2020年はSNS講座から約31万ドル、2021年はフリーランス業務から約22万ドル、2022年はDiscordコミュニティから約72万ドルの売上を得たとされています。

ただし、現在まで「完全に一人でSmall Betsを運営し続けている」わけではありません。

Small Betsは2021年に始まり、2023年7月以降はLouie Bacaj氏との共同運営になりました。

さらに2025年、Vassallo氏はSmall BetsをGumroadへ360万ドルで売却したと公表しています。Gumroadはすでに10%を保有していたため、360万ドルは残る90%についての取引で、本人の説明では事業評価額は400万ドルでした。売却後もVassallo氏は一定期間Small Betsの運営を続ける契約になっています。

この事例の本質は、Small Betsという一つのサービスではありません。

書籍、動画講座、フリーランス、コミュニティなど、その時々で小さな収入源を試していることです。

この事例から学べること

ソロプレナーの目標を「一つの会社を巨大化させること」に限定する必要はありません。

月10万円の商品を複数持つ方法もあります。

僕が注目したいのは、金額よりも改善の内容です。

無料体験から有料利用に進んでもらうための案内を整え、顧客の利用環境に合わせて導入手順を変え、決済失敗への対応も見直しています。一方で、広告や紹介施策が期待どおりに機能しなかったことも記しています。

商品を公開すれば、自動的に売れ続けるわけではない。使い始めてもらうこと、使い続けてもらうことにも仕事がある。その実態が見える事例です。

また、同氏は、まず事業を成立させてから、自分の稼働を減らす順序を説明しています。「最初からほとんど働かずに収入が得られる」という話とは分けて考えたいところです。

ソロプレナー成功事例に共通する5つの特徴

ここまで紹介した10人は、メディア、アプリ、SaaS、教材、デザイン、コミュニティと、事業内容が大きく異なります。

それでも、事業の構造を見ると共通点があります。

1.「大きな市場」より、自分が理解できる具体的な課題を選んでいる

ソロプレナーでは、必ずしも最大の市場を狙う必要はありません。

Skebの喜田氏は、自身がクリエイター文化やコミュニティをよく理解していました。

大野氏は、市場の大きさだけではなく、一人でも主要な事業者へアプローチできる市場構造を見ています。

Justin Welsh氏は、自身が企業で経験してきた営業やコンテンツ制作を商品にしています。

共通しているのは、

「市場で何が流行っているか」より「自分が誰の課題を深く理解できるか」

から始めている点です。

2.自分の時間ではなく「商品」が売れる割合を増やしている

一人で事業をしていると、使える時間には限界があります。

一日8時間しか働けない人が、作業時間だけを販売していれば、売上にも上限があります。

そこで成功事例では、

  • アプリ
  • SaaS
  • Webサービス
  • オンライン教材
  • テンプレート
  • メディア
  • 定額サービス

など、同じ商品や仕組みを複数の顧客へ提供できる状態を作っています。

完全な自動販売でなくても構いません。

Designjoyのように、受託サービスの提供ルールを標準化するだけでも、時間への依存度を下げることができます。

3.集客チャネルを広げすぎず、「自分の強い場所」を持っている

一人でSEO、Instagram、TikTok、YouTube、X、広告、メルマガのすべてを高い水準で運営するのは簡単ではありません。

成功事例を見ると、それぞれ強い集客チャネルがあります。

Justin Welsh氏であればLinkedIn。

Marc Lou氏であればSNSでのBuild in Public。

SiRO氏であれば検索流入。

IsTalkではアプリストアやSNS、口コミなどが重要な接点になります。

一人で事業を始めるなら、まずは顧客がいる一つの場所で強くなる方が運営しやすくなります。

4.「仕事が増えたら採用」ではなく、先に仕組みを変えている

一般的な会社では、仕事が増えれば社員を採用して処理能力を増やします。

ソロプレナーの場合は、順番が異なります。

仕事が増えたときにまず、

  • やめられないか
  • 標準化できないか
  • ソフトウェアで代替できないか
  • AIで補助できないか
  • 必要な部分だけ外注できないか

を考えます。

それでも人が必要になった場合に、初めて採用や組織化を検討します。

固定費を小さくしたまま事業を成長させられることが、一人経営の大きな強みです。

5.成功者ほど「一生一人」に固執していない

ソロプレナーという言葉から、「絶対に社員を雇ってはいけない」と考える必要はありません。

Skebは、一人で維持すること自体が事業リスクとなるほど成長し、売却という選択をしました。

技術情報共有サービス「Zenn」も個人開発から始まりましたが、2021年にクラスメソッドへ譲渡されています。開発者自身も当時、「個人開発から脱却する」と説明しています。

Justin Welsh氏も外部の専門家を利用しています。

Daniel Vassallo氏も、Small Betsの成長後は共同運営へ移行しました。

つまり、

必要以上に早く組織を作らないこと

と、

絶対に一人であり続けること

は違います。

自分なら、どのソロプレナー事例を参考にすべきか

成功者の売上額が大きいからといって、その事例が自分に適しているとは限りません。

現在持っている経験や顧客接点から、参考にする事例を選ぶ方が現実的です。

現在の状況参考になる事例検討しやすいモデル
専門知識があるJustin Welsh氏教材、テンプレート、情報販売
エンジニアPieter Levels氏、Marc Lou氏、IsTalkSaaS、アプリ、Webサービス
フリーランスDesignjoy受託サービスの商品化
SEO・Web集客が得意大野氏、勝木氏、SiRO氏Webメディア、集客プラットフォーム
特定業界に詳しいSkeb業界特化サービス
まだ商品が決まっていないDaniel Vassallo氏小さな商品を複数検証

専門知識がある人

仕事で何度も説明していることを探してみましょう。

営業、広告運用、採用、デザイン、会計、プログラミングなど、自分にとっては当たり前でも、別の人にとってはお金を払って知りたい情報かもしれません。

個別コンサルティングから始め、よく出る質問を教材やテンプレートへ変える方法があります。

エンジニア・開発経験がある人

最初から半年かけて大規模なSaaSを作る必要はありません。

Pieter Levels氏やMarc Lou氏の事例のように、最低限の機能で公開し、課金する人が現れるか確認してから開発を続ける方法があります。

技術的に作れることと、顧客がお金を払うことは別だからです。

フリーランス・受託事業者

Designjoyの考え方が参考になります。

毎回顧客ごとに変えている仕事の中から、「毎回同じこと」を探します。

同じ作業を固定料金、固定納期、固定範囲の商品へ変えられれば、受託のままでもソロプレナー型へ近づけます。

SEOやWebマーケティングが得意な人

メディア型の事業が候補になります。

ただし検索ボリュームだけを見るのではなく、

「誰から収益を得るのか」

まで考える必要があります。

広告主候補が何社いるのか、1件の見込み客にいくらの価値があるのか、一人で営業できる数なのかまで見ることで、事業として成立するかを判断できます。

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僕の独立経験から伝えたい、最初の顧客とのつながり方

ソロプレナーの事例を見て、「自分にも提供できるサービスはある。でも、お客さんがいない」と感じる方もいると思います。

僕も独立したとき、新しい顧客との接点を作る必要がありました。

会社員時代には経営者のお客さんがいました。ただ、そのつながりにはできる限り頼りたくなかった。さらに、独立後に友人と進めたコスト改善プログラムは、以前とは狙う企業の規模も違っていました。

そこで僕が最初にやったのは、身近な人の名前を書くことです。

身近な約30人に直接売ったわけではない

親、母親、兄、学生時代の友人。連絡できる人を、手帳に一人ずつ書いていきました。最初は、感覚として30人くらいだったと思います。

ここで大切なのは、その30人から直接契約が取れたわけではないことです。

僕は、自分が始めたサービスを説明し、「こういうことで困っていそうな方はいませんか」「力になれそうな方を紹介していただけませんか」と丁寧にお願いしました。

その先で人を紹介してもらい、ある集まりで出会った保険営業の方から、企業2社を紹介していただきました。その2社との契約が、その後の事業につながっていきました。

だから、「社長の知り合いがいない」で止まってしまうのは、もったいないと思うんです。身近な人が顧客でなくても、必要としている人につながる接点になるかもしれません。

「紹介してください」でなく、誰の何の役に立つのかを伝える

僕が伝えていたのは、自分が独立したという事情だけではありません。

「世の中の無理無駄をなくしたい」「企業の経費を改善するサービスを届けたい」という、仕事の目的も伝えていました。

紹介する側も、誰にどんな価値があるのかが分からなければ、人をつなぎにくいですよね。

これから始める方には、まず次の3点を言葉にしてほしいと思います。

  • 誰が、どんなことで困っているのか
  • 自分は何を提供できるのか
  • どんな相手と話す機会がほしいのか

さらに、紹介をお願いするだけで終わらないことです。

僕に企業を紹介してくれた方は、最初に「何に困っているの?」と聞いてくれました。僕もその姿勢を学び、相手の仕事や目標を支援する関係を作っていきました。

もちろん、同じ人数に連絡すれば同じ結果になるという話ではありません。学んでほしいのは、連絡先を集めることより、互いに力になれる関係を育てることです。

売る商品を決めるときは、成功者より「買う人」に聞く

事例は参考になります。ただ、成功した人と同じ商品を作れば、自分も売れるとは限りません。

僕らが開催した事業開発キャンプで、メンバーが新規事業の方向性を僕に確認しに来たことがありました。そのとき僕は、「僕に確認しないで」「ペルソナに聞いて」と伝えました。

ここでいうペルソナは、その商品を届けたい具体的な顧客です。僕がその顧客に当たらないなら、僕の賛成だけでは需要の確認になりません。

一人で事業を作る場合も、同じだと思います。

実際に困った経験を聞く

顧客に話を聞くなら、たとえば次のように、具体的な経験を確かめてみてください。

  • 最近、その問題で困ったのはいつか
  • 今は、どんな方法で対処しているか
  • そのために、時間やお金をどれくらい使っているか
  • 既存の方法では、何が解決できていないか

これは記事として整理した質問例ですが、出発点は、相手の現実を知ることです。

AIが魅力的な案を出しても、知り合いが褒めてくれても、それだけでは購入する理由までは分かりません。

キャンプで生まれた事業案についても、僕は、そこから形を変えていくものだと話しています。2日間で案ができたことと、市場で売れる事業になったことは別です。

事例から仮説を作り、顧客に聞き、提案し、反応を見て直す。この順番を大切にしてほしいと思います。

まとめ|ソロプレナーの成功事例から学ぶべきなのはビジネスモデルではない

僕は、成果を出した人の話を聞くことには価値があると思っています。自分には難しいと思っていたことも、具体的な行動が見えると、取り組み方が変わるからです。

ただ、その人の売上を、自分の将来の収入として当てはめることはできません。事業の種類も、経験も、顧客との関係も違います。

まずは、事例から次の4つを自分の仕事に置き換えてみてください。

  • 商品:誰の、どんな困りごとを解決するか
  • 営業:その人に会うために、誰へ連絡するか
  • 改善:顧客の反応を、どう次の提案に生かすか
  • 環境:いつ、誰と進捗を振り返るか

僕は1人社長フリーランス向けのビジネスコーチングのコミュニティを運営しています。そこのお食事会で参加者の話を聞いて感じた共通点は、決断、目標と計画、そして環境でした。

これは全員に同じ成果を約束する絶対の公式ではありません。でも、行動を始め、続けるための大切な視点です。

一人で事業を持つことと、一人ですべてを抱えることは同じではありません。

顧客に聞く。協力者とつながる。必要な道具を使う。そのうえで、自分が届ける価値に責任を持つ。僕は、そこから事業を育てていってほしいと思います。

BCC(ビジネスコーチングコミュニティ)は、個人事業主やフリーランスなど、自分自身のビジネスを伸ばしたい方向けのビジネスコーチング&コミュニティサービスです。

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