本文へスキップ
株式会社BCCBusiness Coaching & Community

Blog

ソロプレナーのビジネスモデル6選|一人で続けるための選び方と収益設計

一人で事業を続けながら、売上を伸ばしたい。ソロプレナーのビジネスモデルは「何を売るか」だけでなく「誰に、どんな価値を、どのくらいの負担で届けるか」まで決めることが大切です。

公開日 秦 卓民ソロプレナー・一人社長

ソロプレナービジネスモデル6選

一人で事業を続けながら、売上を伸ばしたい。でも、お客様が増えるほど納品に追われ、一日が終わってしまう。そんな悩みを感じることはないでしょうか。

ソロプレナーのビジネスモデルを考えるとき、僕が大切だと思うのは「何を売るか」だけでなく「誰に、どんな価値を、どのくらいの負担で届けるか」まで決めることです。

オンライン講座や月額サービスを作っても、購入者への対応に追われれば、時間の制約は残ります。一方、個別支援でも、お客様と提供価値を明確にすれば、客数を増やす以外の成長を考えられます。

僕自身は組織を経営していて、すべてを一人で運営しているわけではありません。ただ、フリーランスや一人社長の方から、営業、単価、商品開発、目標設定について相談を受けてきました。

その経験をもとに、代表的なビジネスモデルと、自分に合う事業の組み立て方をお伝えします。

ソロプレナーとは?フリーランスとの違いをどう考えるか

ソロプレナーは、一人を中核として事業を立ち上げ、運営する起業家を指す言葉です。必要に応じて外部の専門家やツールを使うことまで否定するものではありません。

フリーランスとの境界は、必ずしも明確ではありません。受託の仕事をしている人でも、誰に何を提供するか、価格や提供範囲を自分で設計し、事業として運営していれば、ソロプレナーの働き方に重なる部分があります。

僕は、呼び方を厳密に分けるより、次の問いを持つほうが実務に役立つと思います。

  • 誰に何を提供するかを、自分で決められているか
  • 価格と提供範囲を、自分で設計できているか
  • 売上を増やす方法が、自分の作業時間を増やすことだけになっていないか

受託の仕事から始めても構いません。提供内容をパッケージにしたり、繰り返し伝えている知識を教材にしたりする選択肢もあります。

ソロプレナーの代表的なビジネスモデル6選

まずは、収益の得方と、一人で運営するときの負担を分けて見てみましょう。

ビジネスモデル主な収益源選ぶ際の着眼点一人運営で注意する負担
専門サービス・コンサルティング案件単位の料金、継続支援料既存の経験で、特定のお客様の課題を解決できるか個別対応、修正、打ち合わせ
オンライン講座・デジタル教材受講料、教材の販売代金複数のお客様に共通する課題を、教材にまとめられるか制作、更新、質問対応、集客
会員制サービス・コミュニティ月額・年額会費継続して利用する理由を提供できるかコンテンツ更新、交流支援、退会対応
小規模SaaS・アプリ月額・年額料金、従量料金狭い用途でも、繰り返し使われる課題を解決できるか開発、保守、障害対応、問い合わせ
EC・物販商品の販売代金仕入れや製作、配送を含めて利益が残るか在庫、発送、返品、品質管理
メディア・コンテンツ発信広告、アフィリエイト、スポンサー料など継続的に情報を届け、読者や視聴者との接点を作れるか制作の継続、媒体への依存、収益の変動

専門性を直接届けるか、繰り返し届けられる形にするか

個別支援には、お客様の状況を詳しく知れる良さがあります。ただし、すべてを個別対応にすると、契約が増えるほど負担も増えます。

そこで考えたいのが、共通部分と個別部分の切り分けです。

たとえば営業支援なら、基本的な考え方は教材で伝え、個別の商談については面談で扱う。これは、異なるモデルを組み合わせる一案です。

最初から教材を大量に作る必要はありません。まずはお客様とのやり取りを通じて、どんな相談が繰り返されるのか、何を共通化できるのかを見つけていきます。

月額課金は「毎月払ってもらう理由」とセットで考える

継続課金は、毎回ゼロから販売する形とは異なる収益設計ができます。ただ、月額にしただけで売上が安定するわけではありません。

お客様が継続して使う理由や、利用をやめる理由、対応に必要な時間まで考える必要があります。

僕も「自動で売れるか」だけでなく「売れた後も無理なく価値を届けられるか」を、モデル選びの基準に置きたいと思います。

自分に合うモデルは「顧客・価値・運営負担」で選ぶ

ビジネスモデルを先に決めると、誰に何を届けるかが後回しになることがあります。ここでは、顧客、提供する価値、運営にかかる負担の順に考えてみましょう。

1.誰でもよい、をやめる

客単価について相談を受けたとき、僕は「誰もが納得する金額」を基準にしていないか、とお話ししました。

価格を考える前に、誰に届けたいのかを決める必要があります。

ここでいう相手は、単に「お金を持っている人」ではありません。大切なのは、その人がどんなゴールを目指し、何に困っているかです。

  • どんな状況のお客様か
  • 何を実現したいのか
  • 今、何が妨げになっているのか
  • 僕たちの支援が、どの部分に役立つのか

この解像度が低いまま商品形式だけ決めても、選ばれる理由は作りにくいと思います。

2.機能ではなく、お客様が欲しい変化を設計する

「面談を月2回します」「動画を10本渡します」。これは提供内容ですが、それだけでは、お客様が買う理由にならないかもしれません。

その面談や動画によって、何を変えたいのか。そこを一緒に考えることが大切です。

僕は客単価の相談で、自分のサービスを説明するだけでなく、お客様が欲しいインパクトを設計する手伝いをしよう、と伝えました。

もちろん、売上などの結果を保証するという意味ではありません。支援によって目指す変化と、自分が責任を持って提供できることを分け、合意しておく必要があります。

出典:【値上げは怖くない】客単価を上げる方法をトップセールスに相談しました。

3.売上だけでなく、提供時間と費用も計算する

一人で運営するなら、売上目標と同時に、納品できる量も確認したいところです。

たとえば、以下は考え方を示すための仮の数字です。

設計月の売上1社あたりの提供時間合計提供時間
月額10万円×10社100万円10時間100時間
月額25万円×4社100万円15時間60時間

同じ売上でも、必要な時間は変わります。ただし、25万円で契約していただくには、その価格に見合う価値と信頼が必要です。社数が少なければ、1社の解約による影響も大きくなります。

さらに、営業、事務、商品改善の時間も必要です。外注費やツール代などを引く前の売上と、利益や自分の手取りも同じではありません。

「高単価だからよい」「低価格なら売れる」と決めず、価値と負担の両方で判断しましょう。

売上を上げるビジネスコーチング

経営者・個人事業主向け 3ヶ月の集中プログラム

プログラムの詳細を見る

最初の実績は、顧客に確かめながら作る

自分に合うモデルを考えたら、次は小さく試し、お客様の反応から学ぶ段階です。成功しそうな案を頭の中で完成させるより、実際に提案して確かめることが大切です。

正解を持っているのは、必ずしも詳しい人ではない

ENERGIZEの事業開発キャンプで、メンバーが新しいサービスの方向性を僕に確認しに来た場面がありました。

そのとき僕は「僕に確認しないで」「ペルソナに聞いて」という趣旨のフィードバックをしました。僕が、そのサービスのお客様になる人とは限らないからです。

一人で事業を作る場合にも、同じことが言えます。自分がよいと思うだけではなく、想定するお客様に確かめる必要があります。

僕なら、次のことを確認します。

  • 最近、その課題で困った具体的な場面は何か
  • 今はどう対処しているか
  • 既存の方法の何が足りないのか
  • 提案する支援に、対価を払う理由があるか

「いいですね」という反応と、実際に買っていただけることは分けて考えたいところです。

なお、このキャンプは組織で運営した取り組みです。一人で新規事業を完成させた実績ではありません。ここで持ち帰ってほしいのは、判断を想定顧客に戻すことと、反応を受けて修正する姿勢です。

出典:ENERGIZE主宰の「事業開発キャンプ」を2日間 完全密着。経営幹部100名が集まって真剣に新規事業について議論しました。

小さく提供し、実績として伝える許可を得る

僕は初期に、サイバーエージェントの曽山さんとお会いする機会をいただき、マネージャーの方々への支援を無償で提案したことがあります。その際、事例として紹介してよいかも確認しました。

ここで大切なのは、有名な会社の名前を借りることだけではありません。具体的な支援を行い、その経験を次のお客様が判断できる材料にすることです。

無償提供を誰にでも勧めたいわけではありません。一人で取り組むなら、試行の期間と範囲を決めることが大切です。事例を紹介するときも、実施内容、確認できた結果、相手の感想を混同しないようにしましょう。

出典:【値上げは怖くない】客単価を上げる方法をトップセールスに相談しました。

僕の経験から考える、顧客支援を次の事業につなげる方法

新規顧客を増やすことだけが、事業を成長させる方法ではありません。今のお客様に届けている価値を見直し、そこから次のサービスを考えることもできます。

新規営業を増やす以外にも、成長の入口はある

コーチングを始めた頃、僕は営業には自信があり、受注を増やしていました。ところが、当時の師匠から「セールス禁止」と言われたことがあります。

背景には、営業に比べてコーチングの力量が追いついていないのではないか、という懸念がありました。

そこで僕は、新規営業に使っていた時間を、既存のお客様への支援に振り向けました。別のチームへの支援や個別のサポートにも取り組みました。その結果として、お客様からの信頼が増え、紹介や継続につながったと振り返っています。

この経験から僕が伝えたいのは「無料で仕事を増やそう」ということではありません。

新しいお客様を追い続ける前に、今のお客様に届けている価値を見直す余地があるということです。一人で運営する場合は、対応を無制限に増やすのではなく、何が本当に役立ったのかを見極め、次のサービス設計に反映させたいと思います。

出典:【トップ経営者の計画術】目標達成・ブレイクスルーを起こす計画の立て方

蓄積した知見を、別の形で届ける選択肢もある

僕は約2年間、フリーランスや経営者、一人社長の方々から相談を受け、回答してきました。

その蓄積をもとに、ビジネスパートナーのユウスケさんが開発したのが「AI秦卓民」です。過去の相談と回答を参照する機能や、商談のテキストログにフィードバックする機能を紹介しています。

これは、僕が一人で開発したものではありません。また、開発方式の詳細や収益性を示す事例として紹介できるものでもありません。

ただ、個別に届けていた知見を、別のタイミングや形式でも利用できるようにする例にはなります。

動画に出演した利用者の板橋さんは、商談へのフィードバックを次の提案に生かしていると話していました。これは板橋さんの利用体験であり、成約率がどれだけ上がったかを示す報告ではありません。

僕がここから考えるのは、最初から「AIで何か売ろう」とする以外にも道があるということです。

  1. お客様を支援する
  2. 繰り返し出てくる相談や、役立った回答を整理する
  3. 教材、グループ支援、AIなど、届け方を検討する

すべてを自動化するのではなく、共通化できる部分と、人が個別に向き合う部分を分ける。この発想は、ソロプレナーの商品設計にも応用できると思います。

なお、AIも運営費用がゼロではありません。動画では利用量に応じたコストや利用制限が説明されています。料金や公開範囲の現状、入力データの扱いは、利用前に確認してください。

出典:トップセールスの知見を学習したコーチングAIを公開!営業相談から商談フィードバック

ビジネスモデルを実行に移すための3ステップ

モデルを選んだだけでは、事業は動き出しません。目標と運営条件を整理し、小さく試して改善するための計画を立ててみましょう。

1.売上目標と、守りたい運営条件を決める

僕は計画の相談で、大きなゴールを先に決めることを勧めています。少し高い基準から考えると、単に仕事を増やす以外のやり方を探す必要が出てくるからです。

ただし、目標を高く置けば達成できるという保証はありません。

一人で続けたいなら、売上に加えて、働ける時間、対応できる顧客数、使える費用も書き出しましょう。その条件に合うように、商品と価格を考えます。

2.改善するKPIを1〜3個に絞る

僕は、目標に対して追うKPIを絞ることを勧めています。始めたばかりなら、一つでも構いません。

たとえば、新規契約の売上は、条件をそろえれば次のように分解できます。

提案数 × 成約率 × 平均契約単価 = 新規契約の売上

どこを改善するべきかは、事業の状態によって違います。すでに納品で手いっぱいなら、提案数を増やすより、価格や提供範囲の見直しが先かもしれません。

重点を絞ることと、資金繰りや品質を見なくなることは別です。

3.守ること・始めること・変えることを決める

計画を立てるときは、日々の行動を三つに分けて考えます。

  • 外してはいけないこと:既存のお客様への納品や、約束した支援
  • やったほうがよいのに、やっていないこと:顧客への聞き取り、提案の振り返りなど
  • 今までと違うこと:個別支援の共通部分を教材にする、提供範囲を絞った商品を試すなど

新しいモデルに挑戦するために、今の収益を支えている仕事を急に手放す必要はありません。

まず一つ仮説を決め、お客様に提案する。提供して確かめる。合わなければ修正する。その繰り返しで、自分が続けられる形を探していきましょう。

まとめ|一人で続けるために、提供価値を絞り込もう

ソロプレナーのビジネスモデルに、誰にでも合う正解はありません。

僕が大切にしたい順番は、次のとおりです。

  1. 誰の、どんな課題に向き合うかを決める
  2. お客様が欲しい変化と、提供できる支援を明確にする
  3. 価格、費用、対応時間を計算する
  4. 小さく提供し、実績と知見を蓄積する
  5. 共通化できる部分を、教材や仕組みにしていく

一人で事業をすることと、すべてを毎回、自分の手で行うことは同じではありません。

まずは、今のお客様や、これから支援したい一人に目を向けてください。その人にとって何が価値になるのか。そこを深く考えることが、無理なく続けられるビジネスモデルの出発点だと、僕は思います。

売上を上げるビジネスコーチング

経営者・個人事業主向け 3ヶ月の集中プログラム

プログラムの詳細を見る